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1月, 2022の投稿を表示しています

実験精神でいこう

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私の尊敬する精神科医の神田橋條治先生はよく患者さんに「実験精神でいこうよ」と言っているそうです。精神疾患に罹る人というのは真面目な人が多いので、何か新しいことをやるときに絶対失敗してはいけないとプレッシャーがかかりすぎたり、やってみて失敗すると「自分はダメだ」と思いがちです。 それで神田橋先生は例えば就職してみてダメだったら、「こういう仕事は自分に向いていないとか、こういう職場は自分に向いてないというデータが取れたから実験成功だ」と患者さんに伝えるそうです。(今、旅先で手元に先生の本がなく記憶に頼って書いているので詳細は間違っているかもしれません) 人生に実験精神を生かすのは、科学の実験と似ているところがあると思います。まず人生を改善に導く仮説を自分で作り、その仮説を検証するために実験してみて、失敗したらそれをデータとして次のより良い仮説作りに生かし新たな実験をする、ということを繰り返していくうちに、結果的に人生が良い方向に向かっていきます。 それは就職のような大きなことでなくても良いのです。むしろ小さなことから始めると良いと思います。例えば今滞在している airbnb には電磁式のコンロが一つしかなく、鍋も薄いものしかないのですが、水の量や、浸水時間、火力の強さや加熱時間などを調整しながら、ご飯がかなり美味しく炊けるようになりました。小さなことですが達成感があります。 もう少し大きめの実験ですとこのブログを再開したことです。ずっと何かを書いてみたいという気持ちがありましたが、なかなか始められませんでした。年末に時間があったことからいくつか FB で長めの投稿を書いてみたところ楽しかったので(実験1)、ブログという次の実験をしているところです。今のところ楽しく続けられています。 こういう小さな実験と改善の成功体験を重ねることで、希望、喜び、自信をつけて、だんだん大きな実験ができるようになると思います。新しい年、どんな実験をあなたはしてみたいですか?

イルカに出会う

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昨日は Hookena Beach に行って今回の滞在中初めてイルカを見ました。(写真は借りてきたものです)ここはイルカがよく来ることで知られていますが、今回何回か訪れた時にはイルカには会えませんでした。今回は 海の中に入ってからしばらくしたら遠くにイルカの背びれらしきものが見えました。 実は去年の秋、アメリカ国立海洋大気庁がハワイのイルカに意図的に近づくことを禁止する規制を作り、最低でも約50メートル以上の距離をとっていないといけなくなりました。ただしイルカが近づいてきた場合は良いそうです。 https://www.fisheries.noaa.gov/feature-story/new-regulation-protects-hawaiian-spinner-dolphins-against-disturbance こちらからは近づかないようにじっとしていたら、イルカの群れが私たちの横を泳いでいきました。回遊しているようでしばらくするとまた戻ってきます。 よく見ると5組のお母さん+赤ちゃんペアと、一頭のお姉さんと思われるイルカの群れでした。赤ちゃんは常にお母さんのお腹の下にピッタリついて泳いでいて、息継ぎするときは赤ちゃんも含めて11頭がみんな一緒になってスーッと上昇し、プファーッと息をついてまた水の中に戻ります。それが息があっていてシンクロナイズドスイミングを見ているようでした。まさにin syncです。そして息継ぎする姿を見てイルカは私たちと同じ哺乳類ということを実感し、さらに親近感が湧きました。 彼らの美しさ、優雅さ、愛情、つながりを表現する言葉がないのが悲しいですが、元旦(アメリカは昨日が元旦)に素晴らしいギフトをもらいました。今年はこのイルカたちのようにたくさんの仲間と一緒に遊んだり、学んだり、サポートし合ったりできるといいなと思います。 今はコロナ水際対策で日本からの海外旅行が難しそうですが、将来ハワイ島に来ることがあったら Hookena Beachはお勧めです。ホテルが多いハワイ島の中心地である コナから車で 4,50 分のところにあります。ビーチそのものはコナの方が綺麗なところが多いですが、ローカルな雰囲気がありイルカに会える可能性もあるので来てみる価値はあると思います。 レンタカーを借りて自分たちで動ける方々のために、

身につくということ

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 ハワイ島での滞在も二週間目を迎えました。今滞在している airbnb はコンロが電磁式のものが一つあるだけで、調理器具も最低限でしかも質の良くないものしかなく、最初はご飯を炊く、お味噌汁を作る、魚を焼くという作業に1時間半もかかっていました。火加減が分からず、また鍋も薄いものなので、ご飯はうまく炊けず、魚は焼きすぎてしまいました。 でも人間とは学習するものですね。色々と工夫をして調理時間はずいぶん短くなり、ご飯も美味しく炊けるようになりました。またウクレレも練習していますが、少しずつ音楽らしくなってきました。シュノーケリングもほぼ毎日行っていて、だんだん泳ぐコツがわかってきました。「身につく」という言葉があるように、上達するときは必ず学びが身体感覚を伴っている感覚があります。 反対に全然、上達しないものがあります。それは岩場でのシュノーケリングから帰ってくる時に海から上がることです。いつもモタモタしてしまいます。今日は夫が私を引っ張ろうとしてくれたのですが、それでかえってバランスを崩し手をついてしまい、親指付け根に体重がかかりすぎて軽い突き指をしてしまいました。 夫は私に対してやや過保護なところがあり、特に身体活動に関しては彼は運動能力が非常に高く、私がかなり低いために、必要以上に助けようとするところがあります。 今回の旅でも海から上がろうとするときに今日のようによく手助けしてくれます。 でも今日の怪我でよくわかったのですが、 彼が私を助けることで、私は岩場で海から上がるときにどう波や滑りやすい岩に対応するか、身体感覚を伴って学べていないのです。運動能力が低いなりに、私の身体は新しい環境に適応しようとしているのに、夫の「助け」が私の学びを阻害してしまっていたのです。 夫とは話し合って、私が困っていても手を出すのは二、三呼吸待つということを試してみることになりました。チームワークも試行錯誤の学びですので、これでうまくいかなければ別の方法を考えてみます。 今回は私の学びが妨げられましたが、私がすぐに手を出して夫の学びの機会を奪っていることもあるでしょう。また今まで色々な学生を指導してきましたが、「親切」にしすぎて学生が学びを自分の身体感覚に落とすことを妨げてきたこともあっただ