身につくということ


あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

ハワイ島での滞在も二週間目を迎えました。今滞在しているairbnbはコンロが電磁式のものが一つあるだけで、調理器具も最低限でしかも質の良くないものしかなく、最初はご飯を炊く、お味噌汁を作る、魚を焼くという作業に1時間半もかかっていました。火加減が分からず、また鍋も薄いものなので、ご飯はうまく炊けず、魚は焼きすぎてしまいました。


でも人間とは学習するものですね。色々と工夫をして調理時間はずいぶん短くなり、ご飯も美味しく炊けるようになりました。またウクレレも練習していますが、少しずつ音楽らしくなってきました。シュノーケリングもほぼ毎日行っていて、だんだん泳ぐコツがわかってきました。「身につく」という言葉があるように、上達するときは必ず学びが身体感覚を伴っている感覚があります。


反対に全然、上達しないものがあります。それは岩場でのシュノーケリングから帰ってくる時に海から上がることです。いつもモタモタしてしまいます。今日は夫が私を引っ張ろうとしてくれたのですが、それでかえってバランスを崩し手をついてしまい、親指付け根に体重がかかりすぎて軽い突き指をしてしまいました。


夫は私に対してやや過保護なところがあり、特に身体活動に関しては彼は運動能力が非常に高く、私がかなり低いために、必要以上に助けようとするところがあります。 今回の旅でも海から上がろうとするときに今日のようによく手助けしてくれます。


でも今日の怪我でよくわかったのですが、 彼が私を助けることで、私は岩場で海から上がるときにどう波や滑りやすい岩に対応するか、身体感覚を伴って学べていないのです。運動能力が低いなりに、私の身体は新しい環境に適応しようとしているのに、夫の「助け」が私の学びを阻害してしまっていたのです。


夫とは話し合って、私が困っていても手を出すのは二、三呼吸待つということを試してみることになりました。チームワークも試行錯誤の学びですので、これでうまくいかなければ別の方法を考えてみます。


今回は私の学びが妨げられましたが、私がすぐに手を出して夫の学びの機会を奪っていることもあるでしょう。また今まで色々な学生を指導してきましたが、「親切」にしすぎて学生が学びを自分の身体感覚に落とすことを妨げてきたこともあっただろうと反省します。


すぐ答えを示す方が簡単なことが多いですし、それが必要な時もあります。でも自分が学んでいるときも、また自分が指導している時も、「学びは身についているか」ということを常に問うてみたいと思いました。 


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