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気を大切にしよう

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  「あなたの気のエネルギーは貴重です」 これは鍼の先生からもらったポストカードの一部です。 precious には愛おしいと言うニュアンスもあるので、 これを見ると気を心から大切にしたくなります。 このように自分の「気」について捉えるのはとてもいいなーと思って、 このカードを見えるところに飾ってあります。 自分を大切にするとか、セルフケア言うと漠然としてしまいますが、 私の気を大切にしようと考えると、 「私の気力はどのくらい残ってるかな?少なくなっているから少しペースを落とそう」とか、 「この人と一緒にいると気を使 いすぎて気を無駄遣いしてるな、 今後のお付き合いについて考えてみよう」などと具体的に考えやすくなります。 気と言うのは今の科学では測れないものでしょうが、 私たちの 身体感覚にあったとても役立つ概念だと思います。 気楽に気分良く過ごしたり、 気の合う人と気持ちよく過ごすことで、 気の消費が省エネモードになったり、元気をもらえたりします。 反対に気を使ったり気張ったり気の合わない人に合わせようとすると、 私たちの気は消耗してしまいます。 私は不快に気づきにくい方なんですけれども、 「この活動は私の気を充実させるかそれとも消耗させるか」とか、 「この人とは気安くいられるか、気を使うか」などと気や気分に注意を向けていことで、   心身の健康に心から気を配りやすくなれそうです。  

世界の多様性(エマニュエル・トッド)とミニアメリカ文化考

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10 年くらい前にエマニュエル·トッド氏の本をよく読んでいました。あるコミュニティで彼の話が出てきて懐かしく思いました。写真の本は世界の様々な地域の家族形態について詳しく書いてある本で 全部で 500 ページ以上ある大著です。それぞれの文化の家族形態が政治や宗教、国家の運営などに影響を与えていることが詳しく書かれていますが、心理専門の私が印象的に覚えているのは、家族形態によって有効な心理療法も変わってくると言う点です。 フロイトによる精神分析は、直系家族の文化の中で生まれたので、親子の関係(直系)には注意を向けているが、兄弟姉妹の関係には注意を向けてないのだと述べています。そのため兄弟姉妹の連帯が強い中国やイスラム圏では精神分析がうまく理解されないとのことです。日本は 直系家族の文化だったために比較的精神分析が根付いたのかもしれません。 さてこの大著、時々スッと頭に入ってこない文章があったので、これは日本語に翻訳されているからかなと思い英語の翻訳本を見てみようとアマゾンで探してみたことがあります。でも彼の本はほとんど翻訳されていませんでした。 日本であれだけ人気があるのにアメリカでの知名度が低いことにびっくりしました。英語で 読める良い本がたくさんあるのでわざわざフランス語の本を翻訳するニーズがない と言うのは 1 つの理由だと思います。もう一つは 日本人は世界(特に西洋)と比べて自分がどういう位置づけになるかということにとても興味がありますが、アメリカ人はそのことにほとんど興味がないからではないかと思います。 日本人は昔から日本文化論が好きで、日本の大学院にいた頃には土居健郎の「甘えの構造」、河合隼雄の「中空構造日本の深層」、その他いくつかの日本人論は課題図書の中に入っていました。私自身も日本文化について比較文化的に考えることにとても興味があります。そんな土壌があって日本の家族形態や社会のあり方にも言及するトッド氏に日本人は興味を持ったのではないかと思います。 一方アメリカ人によるアメリカの比較文化論はほとんど見た覚えがありません。 アメリカのメジャーリーグの優勝決定戦をワールドシリーズと言ってしまうように、基本が自分たちが世界の中心にいると思っているので、自分たちが世界の人からどう見られるかと言うことに興味がないのではないかと思います。だからトッド氏

夏時間始まる

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アメリカでは今週の日曜日から夏時間が始まりました。 私はアジアやヨーロッパの方ともミーティングすることがあるのでこの時期は予定の調整が大変です。 夏時間のないアジアの方とはもちろんのこと、夏時間のあるヨーロッパの方たちとのミーティングの時間も調整が必要です。 ヨーロッパには夏時間があるから大丈夫なのではと思われるかもしれませんが、 アメリカはヨーロッパより2週間早く夏時間が始まるせいでかえって混乱しやすく、 スケジュール的には魔の2週間となります。 ちなみにアメリカ国内でも夏時間を採用していない州があるので(ハワイ、アリゾナなど)国内でも混乱します。 独立を重んじるこの国では「足並みをそろえる」という観念がないようです(笑)。 夏は日がとても長くなるのはいいのですが、グローバル化が進んでいる現在、 夏時間はビジネス的に非効率なのではないかとずっと思っていました。 その他にも夏時間の開始時に1時間時間が減るため睡眠不足が原因で交通事故が増えるとか、 家畜のリズムが狂って乳牛のミルクが出にくくなるなど弊害も大きいようです。 予定調整でイライラして夏時間を廃止するムーブメントに参加しようかと本気で思っていた朝に、 なんと上院で夏時間に固定するという法案が通ったというニュースを聞きました。 この法案が下院で通れば、アメリカの全州で一年を通じてずっと夏時間になるということのようです。 ともかく時間の変更がなくなるのが一番の願いだったので、とても嬉しいニュースです。

心を開く質問

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私は音楽が好きなので新しい楽器を見ると試してみたくなります。 数年前に沖縄に遊びに行ったときに三線を弾いてみたくなり体験レッスンを受けました。 かなりお弟子さんもたくさんいる先生のようですが、 とても気さくな方でレッスンの後にさんぴん茶を出してくれて、 しばらくおしゃべりをしていました。 私がバイオリンを弾くという話をすると、先生は興味津々でバイオリンについていくつもの質問をしました。 その一つが次の質問でした。 「バイオリンを弾くときに歌は歌うの?」 そんな質問を受けたこともないし、そういう発想もなかったので私はびっくりして笑いそうになりましたが、 失礼がないように「顎で楽器を支えないといけないので歌は歌いません」と冷静に答えました。 すると先生はポツリと「口があるのにもったいないね」とおっしゃったのです。 「ああ、三線を弾くときはまず歌ありきなのだな」ということがダイレクトに伝わってきて 深く感動しました。 クラシック音楽の知識がある程度ある人なら、こんなことを聞くなんて恥ずかしいと思う人もいるかもしれません。 でも先生が音楽への情熱から知りたいことを聞いてくれたおかげで、 三線の世界が私に伝わってきたのです。 私たちは恥をかくことを恐れて、自分があまり知らないことについて自由に質問できなくなることがあります。 どういう質問をすれば相手に賢く思われるかとか、 馬鹿な奴と思われないかなどと相手に注意が向きすぎて、 会話の中に自分がいなくなって、結果的に表面的な話に終始してしまいがちです。 でもこの先生との対話から学んだことは、 自分の本当に知りたいことを率直に聞くことは自分の心を相手に開示することであり、 そのことで相手も心を開くことができて、 深く心を通わせることもできるのだとということです。 どんな相手に対してもこの先生のように自分の軸を忘れずに、素直に心を開いていけるようになりたいです。

身体症状からのメッセージ

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今年はアウトプットを意識しようとこのブログも再開し、 週に最低2つの記事を書くことを目標に調子良くスタートを切ったものの、 なんと2週間目で挫折してしまいました。 というのも年明けすぐにひどい気管支炎にかかってしまい、 咳がひどくてブログを書く余裕がなくなってしまったからです。 10 日ほどで気管支炎からは回復したのですが、 咳のしすぎで体に負担がかかったのか腰痛が出てしまいました。 この腰痛が曲者で安静にしているとむしろ痛みが出てくるのです。 そのため立ったり、座ったり、歩いたり、うつ伏せになったりと 常に姿勢や動きを変えなければなりませんでした。 クライエントさんに会っている時はときどき痛み止めを飲みながらやり過ごしましたが、 文章を書くときはじっとしている時間がないとうまく集中力が続きませんでした。 でも元々の気質がカウチポテト(じっと動かないタイプ)の私が 動き続けているというのは新鮮な体験でした。 座ってぼーっとインターネットサーフィンをしたりできないので いろんなことに自覚的に取り組めましたし、 何をしている時も気をつけて動かないと痛みが出てくるので体への意識が高まりました。 お陰で普段どれだけ自動運転的に無自覚に色々なことをしていたか気づくことができました。 もう一つ大事な気づきは、このように動きや姿勢を変え続けるということは 今年の私の課題にもつながるかもしれないということです。 コロナ禍になってアメリカではカウンセリングへの需要が高まり、 少なくとも私がラインセンスを持っているオレゴン州では多くのカウンセラーが 予約がいっぱいで新しいクライエントさんを引き受ける余裕がなくなりました。 私も予約が埋まっていたのですが、大変そうな方の話を伺うとつい引き受けてしまい、 この2年、普段のキャパの 120% で稼働していました。 そうすると学んだことを消化し内省して、 それを文章や教えるという形で伝えていく時間がほとんどなくなってしまいました。 これはカウンセリングと同じくらい私にとって意義のある時間なのです。 また趣味の音楽や運動に取れる時間もずいぶん少なくなってしまいました。 ある意味、カウンセリングという一つの動きばかりやっていた2年だったのですね。 こうやって色々、動かないと体が痛くなるという経験か

実験精神でいこう

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私の尊敬する精神科医の神田橋條治先生はよく患者さんに「実験精神でいこうよ」と言っているそうです。精神疾患に罹る人というのは真面目な人が多いので、何か新しいことをやるときに絶対失敗してはいけないとプレッシャーがかかりすぎたり、やってみて失敗すると「自分はダメだ」と思いがちです。 それで神田橋先生は例えば就職してみてダメだったら、「こういう仕事は自分に向いていないとか、こういう職場は自分に向いてないというデータが取れたから実験成功だ」と患者さんに伝えるそうです。(今、旅先で手元に先生の本がなく記憶に頼って書いているので詳細は間違っているかもしれません) 人生に実験精神を生かすのは、科学の実験と似ているところがあると思います。まず人生を改善に導く仮説を自分で作り、その仮説を検証するために実験してみて、失敗したらそれをデータとして次のより良い仮説作りに生かし新たな実験をする、ということを繰り返していくうちに、結果的に人生が良い方向に向かっていきます。 それは就職のような大きなことでなくても良いのです。むしろ小さなことから始めると良いと思います。例えば今滞在している airbnb には電磁式のコンロが一つしかなく、鍋も薄いものしかないのですが、水の量や、浸水時間、火力の強さや加熱時間などを調整しながら、ご飯がかなり美味しく炊けるようになりました。小さなことですが達成感があります。 もう少し大きめの実験ですとこのブログを再開したことです。ずっと何かを書いてみたいという気持ちがありましたが、なかなか始められませんでした。年末に時間があったことからいくつか FB で長めの投稿を書いてみたところ楽しかったので(実験1)、ブログという次の実験をしているところです。今のところ楽しく続けられています。 こういう小さな実験と改善の成功体験を重ねることで、希望、喜び、自信をつけて、だんだん大きな実験ができるようになると思います。新しい年、どんな実験をあなたはしてみたいですか?

イルカに出会う

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昨日は Hookena Beach に行って今回の滞在中初めてイルカを見ました。(写真は借りてきたものです)ここはイルカがよく来ることで知られていますが、今回何回か訪れた時にはイルカには会えませんでした。今回は 海の中に入ってからしばらくしたら遠くにイルカの背びれらしきものが見えました。 実は去年の秋、アメリカ国立海洋大気庁がハワイのイルカに意図的に近づくことを禁止する規制を作り、最低でも約50メートル以上の距離をとっていないといけなくなりました。ただしイルカが近づいてきた場合は良いそうです。 https://www.fisheries.noaa.gov/feature-story/new-regulation-protects-hawaiian-spinner-dolphins-against-disturbance こちらからは近づかないようにじっとしていたら、イルカの群れが私たちの横を泳いでいきました。回遊しているようでしばらくするとまた戻ってきます。 よく見ると5組のお母さん+赤ちゃんペアと、一頭のお姉さんと思われるイルカの群れでした。赤ちゃんは常にお母さんのお腹の下にピッタリついて泳いでいて、息継ぎするときは赤ちゃんも含めて11頭がみんな一緒になってスーッと上昇し、プファーッと息をついてまた水の中に戻ります。それが息があっていてシンクロナイズドスイミングを見ているようでした。まさにin syncです。そして息継ぎする姿を見てイルカは私たちと同じ哺乳類ということを実感し、さらに親近感が湧きました。 彼らの美しさ、優雅さ、愛情、つながりを表現する言葉がないのが悲しいですが、元旦(アメリカは昨日が元旦)に素晴らしいギフトをもらいました。今年はこのイルカたちのようにたくさんの仲間と一緒に遊んだり、学んだり、サポートし合ったりできるといいなと思います。 今はコロナ水際対策で日本からの海外旅行が難しそうですが、将来ハワイ島に来ることがあったら Hookena Beachはお勧めです。ホテルが多いハワイ島の中心地である コナから車で 4,50 分のところにあります。ビーチそのものはコナの方が綺麗なところが多いですが、ローカルな雰囲気がありイルカに会える可能性もあるので来てみる価値はあると思います。 レンタカーを借りて自分たちで動ける方々のために、