片手を空けておく


ずっとブログを再開したいと思いながら何年も経ってしまった理由はいろいろありますが、第一には忙しすぎたのだと思います。本当にやりたかったら時間は作れるはずという人もいますが、やはり何かを創り出すにはまとまった時間が必要です。やっとこの頃、お断りすることも覚え少しは自分の時間を作れるようになりました。


来年は書くための時間をもっと作りたいと思っていたとき、ふと歌手の加藤登紀子さんがテレビのインタビューで話していたことを思い出しました。彼女が仕事や家庭のことでいっぱいいっぱいになっていた時に、師匠に当たる人から次のように言われたそうです。


「(やるべきことを)両手いっぱいに持たないで、必ず片手は空けておきなさいね。そうすれば何か良いことがやってきた時にパッとつかめるから。」


もう何年も前に聞いたことなので細かいところは間違っていると思いますが、だいたいこんな意味のことを話されていていました。それが心に残っていたということは、私もその時すでに両手いっぱいに「やるべきこと」を抱えていたのでしょう。


私を含めて多くの人が「忙しいことが良いこと」と信じて、必要以上のことを引き受けがちです。きっと頑張れば幸せになれると信じて、いろいろなことをこなそうとするのでしょう。でも素晴らしいチャンスが来たときに、手が塞がっていたら幸せに近づけません。


ちなみにこのチャンスは外から来ることもありますが、内側から起こってくるかもしれません。例えば今の私の何かを文章で表現したいという思いのように。


もちろん食べるために必死に働かないといけない方もたくさんいると思います。でも小指二本分だけでも、いえ、小指だけでも自由にするにはどうしたらいいかと考えてみると、新たなアイディアが湧いてくるかもしれません。

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